2008年6月18日(水)「しんぶん赤旗」

首相「消費税増 決断の時」

高齢化社会を口実に


 福田康夫首相は十七日午後、都内で主要八カ国(G8)通信社のインタビューに応じ、消費税について「日本は世界有数の高齢化社会だ。その国が(消費税)5%でやっている。だからこれだけ財政赤字を背負っている。その辺のところを決断しないといけない。大事な時期だ」と述べ、引き上げは不可避との認識を示しました。

 福田首相は、高齢化に伴う社会保障費の増大が今日の財政悪化を招いているかのように宣伝することで、消費税増税を「合理化」しようとしています。

 しかし、財政悪化を招いたのは、一九九〇年代の“国と地方で公共投資に五十兆円、社会保障に二十兆円”といわれた「逆立ち」財政です。福田内閣は、社会保障費の自然増を毎年二千二百億円ずつ抑制する小泉内閣いらいの社会保障抑制路線を継承。その一方で、高速道路をつくり続ける総額方式を改めず、ゆきすぎた大企業・大資産家減税と年五兆円規模に膨らんだ軍事費という「二つの聖域」にもメスをいれようとしていません。

 所得が低い人ほど負担が重い消費税は、社会保障を語るには最もふさわしくない税です。

 福田首相は同インタビューで、消費税増税について「議論はやってきたが、政治的決断ができなかった」と述べ、決断する時期がきているとの認識を示しました。首相は同時に「国民世論がどう反応するか一生懸命考えている」と述べ、世論の動向を慎重に見極める考えも示しました。



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