2008年6月17日(火)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療制度

共産党 4野党会談提起

廃止法案審議入りめざし


 日本共産党の市田忠義書記局長は十六日、国会内で記者会見し、民主党、社民党、国民新党の野党各党に対し、国会が二十一日まで延長された事態を踏まえ、後期高齢者医療制度廃止法案の衆院での審議入りを実現するために、緊急の野党四党書記局長・幹事長会談を開くよう提起しました。これを受けて、穀田恵二国対委員長は同日、野党三党の国対委員長に申し入れました。(別項「申し入れ」参照)


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(写真)記者会見する市田忠義書記局長(左)と穀田恵二国対委員長=16日、国会内

 市田氏は、国民の同制度への怒りと、なんとしても廃止をとの強い願いに言及。廃止法案を参院で共同提案し可決させた四野党は、国民の期待に応えるためにも、衆院での審議入りを実現し、趣旨説明と質疑をおこない責任を果たすべきだと力説しました。

 また、自民党の伊吹文明幹事長が十五日のNHK番組で、「共産党のように審議すべきだという考えの政党もあり、会期末まで国民のために努力する」と述べ、応じる構えをみせたことも紹介しました。

 そのうえで市田氏は、民主党が福田康夫首相問責決議の参院可決を理由に政府との審議を拒否する一方、岩手・宮城内陸地震など「緊急時」「人道上」の問題での質疑には応じる姿勢であることを指摘。「後期高齢者医療制度の問題は、まさに災害対策と同様、人命と健康にかかわる緊急な問題だ」と表明しました。

 さらに市田氏は、野党四党がみずから提出した廃止法案の趣旨説明と質疑は、民主党がいう「政府との審議」とは異なると指摘。日本共産党は、福田内閣を相手にした審議はやらないという姿勢にはくみしないとしたうえで、後期高齢者医療制度廃止法案は、「民主党が主張する論理の筋からいっても、当然審議入りすべきだ」「審議に入るべく力を合わせようと粘り強く申し入れ、実現するよう最後まで努力する」と表明しました。


申し入れの内容

 日本共産党が十六日、民主党、社民党、国民新党に申し入れた内容は以下のとおりです。

 通常国会の会期が六月二十一日まで延長されました。後期高齢者医療制度による二度目の年金からの天引きが始まり、国民の怒りはますます深まっています。こうした新しい条件のもとで、熱く広範な世論に応えて、同制度の廃止をめざすことは、私たち野党に課せられた緊急・重要な責務であります。

 しかも、四党は共同して後期高齢者医療制度廃止法案を参議院に提出してこれを可決しており、いま、衆議院で同法案の成立をめざしている段階にあります。衆議院本会議での趣旨説明・質疑を一刻も早く実現させ、今国会中にこの法案を成立させるために全力を尽くすことこそ、国民の願いに応える道です。

 ただちに衆議院本会議での趣旨説明・質疑を実現させることが、法案提出者としての国民にたいする責任です。延長されたとはいえ会期は限られており、ことは急を要します。権限を委任していただけるなら、わが党一党でも、趣旨説明と答弁をおこなう用意があります。

 こうした緊急の問題について協議するため、四野党書記局長・幹事長会談を開催するよう申し入れます。


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