2008年6月14日(土)「しんぶん赤旗」
具体策合意できず
温室ガス削減 国連作業部会が閉幕
【ボン=岡崎衆史】二〇一三年以降の地球温暖化対策について話し合うため、ドイツのボンで二日から開かれていた国連気候変動枠組み条約と京都議定書の特別作業部会は十二日、温室効果ガス削減の具体的措置について合意できず、各国が提案した削減方法案をすべて列挙した文書を採択して閉幕しました。
同文書に盛り込まれた提案については、八月にガーナで開かれる次回作業部会で採用するかどうかについて検討される予定です。
会議の進展の遅れについて、京都議定書作業部会のドブランド議長(ノルウェー)は、「このままでは次回作業部会で合意は得られない」として、新しい気持ちで対処するよう求めました。
列挙された提案には、先進国が温暖化対策で途上国を支援するクリーン開発メカニズム(CDM)の対象や、日本のセクター別アプローチ(セクターごとの目標を積み上げて全体目標を設定する方法)、航空や海運分野の温室効果ガス削減などが含まれます。
このうちCDMでは、日本やカナダが支持している原子力発電所建設を含むかどうかについても検討されます。
セクター別アプローチについては、「先進国の目標と置き換わるものではない」ことや「途上国の目標設定につながらない」ことなどを明確にした上で、文書に盛り込まれました。
一方、京都議定書で削減義務を負わない途上国や、同議定書から離脱した米国を含む温暖化防止の制度を話し合う枠組み条約の作業部会では、今後具体的な文書の提出を締約国と環境非政府組織(NGO)に求めることなどを決めるにとどまりました。
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