2008年6月12日(木)「しんぶん赤旗」
後期高齢者医療
保険料「減少」 わずか6%
民医連アンケート 41%「高くなった」
厚労省調査は実態反映せず
全日本民主医療機関連合会(鈴木篤会長)の代表は十一日、国会内で記者会見し、「後期高齢者医療制度の実施直後アンケート」の集計結果を発表しました。代表は、保険料が施行前より下がった人がわずか6%程度である結果などを示し、七割の世帯で保険料が減少したとする厚生労働省の調査を批判しました。
同調査は、同制度対象の全国六千九人の高齢者などに対して、同連合会加盟の病院などの職員が四月一日から六月九日にかけて、面接で聞き取りしたものです。
それによると、同制度が実施された四月以前と比べて、保険料が「安くなった」と答えた人は6・6%にとどまり、「高くなった」人が41・6%を占めました。(図)
厚生労働省は「七割程度の世帯で保険料が減少」との調査結果(四日発表)を発表しています。
鈴木会長は会見で、「私たちの調査結果の方が、お年寄りの実感にあっている。多くのお年寄りは、国が七十五歳以上の医療を制限し、お年寄りが生きていくのに肩身の狭い国にしようとしている、と思っている」と述べました。
湯浅健夫事務局次長は、与党プロジェクトチーム(PT)の見直し案に触れ、「もし、七割の世帯の保険料が軽減されているのなら、さらなる軽減措置がなぜ必要なのか」と指摘。与党の見直しの動きも、厚労省調査が実態を反映していない証拠だとして、同制度の廃止を強く訴えました。
このほか、民医連の調査で、保険料の年金からの天引きについて、54・4%の人が「困るのでやめてほしい」と要求。制度の内容について「知らなかった」人が34・8%いることもわかりました。
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