2008年6月11日(水)「しんぶん赤旗」
核廃絶へ再確認要求
インド首相が保有国に
【ニューデリー=豊田栄光】インドのシン首相は九日、当地で開かれた「非核の世界へ向けた会議」で演説し、核保有国に対して、核兵器廃絶を達成するとした「明確な約束」の再確認を求めました。
「明確な約束」は、二〇〇〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議の際に、米国など核保有五カ国が受け入れたもの。その後、ブッシュ米政権は「明確な約束」に敵対し、「核の先制使用」や「より使いやすい核兵器」構想を打ち出しています。
シン首相はまた、核の先制使用や非核国への核攻撃を禁止する合意の必要性を強調。核の威嚇や使用禁止を定めた条約の交渉も提案しました。
インドはNPTには加盟せず、一九九八年に核実験を実施し、核兵器の保有を宣言しました。その一方で、「全世界的で差別のない、期限を切った核兵器廃絶交渉」を掲げています。
今回の会議は、インド世界問題評議会と戦略国際問題センター、民間シンクタンクが開催。米、中、豪、ロシア、カナダなどから軍縮専門家などが参加しています。
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