2008年6月11日(水)「しんぶん赤旗」

韓国「100万人大行進」

“対話しない大統領に不満”

米産牛肉輸入するな


 韓国で十日、ソウルをはじめ全国百以上の地域で、米国産牛肉の輸入再開反対を掲げた「百万人ろうそく大行進」が開かれました。千七百五十の市民団体が共同で呼びかけたもので、全国で数十万人が参加。牛肉輸入問題にとどまらず「朝鮮半島大運河」計画や公営企業民営化など、李明博(イ・ミョンバク)政権の主要政策の撤回を求め、国政全般への批判が噴出しました。

 集会は一九八七年に軍事独裁政権を終わらせた「六月民主抗争」が始まった日に合わせて行われ、これまでの最大規模となりました。全国共通スローガンは「牛肉輸入の全面再交渉」「李明博政権審判」。主催団体は「国民の声を無視し続ける政権への抗議と警告」だとしています。

 ソウルのろうそく集会は先月からほぼ連日続いており、十日で三十七回目。参加する市民の層と数は次第に広がり、韓国メディアは「ハイヒール、ベビーカー、中高校制服、ネクタイが織り成す行進」と伝えています。

 牛肉輸入の米韓合意は、骨付き肉や内臓を含め全月齢の牛肉を輸入再開する内容です。BSE(牛海綿状脳症)への不安は韓国民の間に急速に広まり、連日の抗議集会へとつながりました。

 市民団体は、欧州連合(EU)並みに特定危険部位の輸入を禁止する措置の明文化などを主張し、政府に米国との再交渉を求めています。しかし、韓国政府は再交渉を拒否する一方、月齢三十カ月以上の牛肉輸出規制をブッシュ米大統領から取り付けたと発表。輸入再開に踏み切る姿勢を変えていません。

 ソウル市民の一人は「大統領は自分のやりたいように政策を進めて、国民と対話をしようとしない。国民が選んだ大統領なのに、国民といっしょに進もうとしない。どんな政策を出しても不満や非難を受けるのは当然」と語りました。

 李大統領は「経済の再生」を最優先課題としてきましたが、国際的な原材料価格の高騰や通貨ウォンの下落などで、消費者物価は上昇を続けています。学費、食品、ガソリンなどの値上げは庶民生活をさらに圧迫し、政権批判に拍車をかけています。



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