2008年6月8日(日)「しんぶん赤旗」
「後期医療」 廃止こそ
CSで小池氏 75歳線引き 根幹に問題
日本共産党の小池晃政策委員長は、六日放送のCS朝日ニュースター「ニュースの深層」に出演し、後期高齢者医療制度の問題点などについて語りました。
番組の冒頭、司会の辻広雅文氏(ダイヤモンド社論説委員)は「小池さんは、いま浮上している問題を(国会で法案が審議された二〇〇六年)当時から鋭く追及していた」と紹介しました。
厚生労働省が四日に発表した同制度の保険料負担にかんする調査結果について、司会の堤未果氏(ジャーナリスト)が「調査方法に信ぴょう性はあるのですか」と質問。小池氏は、今回の調査が四種類の世帯構成(単身世帯、高齢者夫婦など)と三パターンの所得段階の組み合わせによる十二パターンのモデル世帯で試算したものであることを示し、「これでは、全体の実態を把握するのは無理がある。きちんとサンプル調査をするべきだ」と指摘しました。同時に、そうした問題のある調査でも、所得が少ない人ほど保険料が負担増になった人が多いことが明らかになり、「政府の宣伝とまったく逆の結果が出ている」と批判しました。
小池氏は「負担が増えたか減ったか、それも大問題です。しかしそれ以上に、七十五歳以上を『後期高齢者』とよんで、強制的に別建ての制度に入れてしまう、保険料をどんどん値上げするとともに差別医療を押し付けるという、制度の根幹に怒りが集中しています」と強調。「この問題を解決するには、“胃が痛いから薬を出す”というような対症療法的なやり方ではなく、問題の大本を手術して取り除くしかない」と述べ、与党が検討している小手先の手直しではなく、制度は廃止するしかないと力を込めました。
今後、医療制度をどうするべきかを問われ、小池氏は「国民健康保険の財政をたて直すことが重要だ」と指摘。一九八四年以来、減らし続けてきた国庫負担の増額が必要だと述べました。
■関連キーワード