2008年6月7日(土)「しんぶん赤旗」
イラク戦争は「侵略」
次期国連総会議長が演説
【ワシントン=鎌塚由美】九月開会の第六十三回国連総会議長ミゲル・デスコト・ブロックマン氏は四日、議長選出にあたっての演説で、イラク、アフガニスタン戦争について「侵略行為」だと述べ、名指しは避けながらも米国を批判しました。
デスコト氏は、ニカラグアのサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)政権で外相(一九七九―一九九〇年)を務めたカトリックの神父。米ブッシュ政権の単独行動主義に批判的な立場をとってきました。地域持ち回りで選出される国連総会議長にラテンアメリカ・カリブ海諸国から推薦され、全会一致で選出されました。
演説で、国連のもとに世界各国が結束する必要性を強調したデスコト氏は、「一部の加盟国のふるまいは、戦争を終結させ地球から貧困を撲滅するという国連の信頼を失わせた」とも語りました。次期国連総会の課題として「国連の民主化」を挙げ、「効果的な多国間主義のために国連総会の再活性化を目指す」と語りました。
米メディアは、米国代表団がデスコト氏の米国批判にさっそく抗議したと伝えています。ハリルザド米国連大使は同日、イラクやアフガニスタン戦争を「侵略」と見る見方に「もちろん同意しない」と述べ、「国連加盟国に、われわれと違う認識を示す国があっても驚かない」と記者団に語りました。