2008年6月6日(金)「しんぶん赤旗」
温暖化対策
財界頼りでは限界
共産党が修正案 中長期目標を提示
原案を可決
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参院環境委員会で五日、地球温暖化対策推進法改定案の採決が行われ、自民、公明、民主などの賛成多数で可決しました。日本共産党の市田忠義議員は、改定案に反対し、温室効果ガス排出削減の中長期目標を規定するなどの修正案を提示し、趣旨説明しました。修正案には日本共産党のほか川田龍平議員(無所属)が賛成しましたが、否決されました。
改定案に対する反対討論で市田氏は、京都議定書で日本が課せられた6%削減目標を確実に達成する抜本的な改定案になっていないと指摘。日本の温暖化対策が日本経団連の「自主行動計画」に頼るものとなっているが、この取り組みは限界に来ており、日本が負うべき中期目標の水準も示せないと批判しました。
また、改定案が、電力業界などの強い要望で、産業界の温室効果ガスの実際の排出量の削減をあいまいにする問題点を指摘しました。
これに先立ち市田氏が趣旨説明した日本共産党の修正案は、気温上昇を「工業化が開始した年代から二度以内に抑える」目標を明記し、温室効果ガス排出量を一九九〇年比で二〇二〇年までに30%、五〇年までに80%削減するという中長期目標を掲げています。
この目標を達成するために、▽政府と事業者団体との間でガス排出削減の協定を締結する▽国内排出量取引制度を設けるなどの措置をとり、「国内排出量の約八割を占める産業部門の大幅削減を堅固なもの」とするとしています。
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