2008年6月5日(木)「しんぶん赤旗」
難病研究対象を拡大
厚労省懇談会が了承
難病対策を議論する厚生労働省の特定疾患対策懇談会(金澤一郎会長)は四日、東京都千代田区の同省内で、今年度一回目の会合を開き、国の難病研究(難治性疾患克服研究事業)の対象疾病を可能な限り拡大するための方策を了承しました。
了承された方策は(1)できるだけ広く対象とできるよう、研究班の対象疾患に類似する病態をまとめて対象とする(2)これまで研究が行われていないその他の難治性疾患についても、研究計画の公募枠を設けるなど、実態把握等のための調査研究を奨励する―の二つ。
懇談会終了後、同省担当者は、了承された方策について、基本的に来年度から実施する方針であることを表明しました。
これまで、日本難病・疾病団体協議会(JPA)などは「すべての難病を対象疾患にしてほしい」と要望。先月二十六日には、請願署名約八十八万人分を国会に届けていました。
この日の懇談会を傍聴したJPAの伊藤たてお代表は「何度もたたいてきた変化のドアがやっと開いた。久しぶりに難病対策で前向きの議論がされた。この方策をどう具体化するか、財源の配慮を含め、いい方向になるようお願いしたい」と話していました。
日本共産党の小池晃政策委員長(参院議員)の話 難病団体の粘り強い運動が行政を一歩動かした。いままでは、一つ一つの病気について研究対象に指定させるために大変な努力をしてきた。類似の病気については認めていくというやり方は当然の方向だ。難病予算の拡大を引き続き求めていきたい。
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