2008年6月5日(木)「しんぶん赤旗」

保険料厚労省調査

低所得ほど負担増

都市部は78%も


 厚生労働省は四日、国民健康保険(国保)から後期高齢者医療制度に移行した七十五歳以上の保険料の変化について、全国平均で69%の世帯で保険料が減少したとの調査結果を公表しました。

 都道府県ごとにみると、沖縄県では64%の世帯が負担増。東京都でも56%の世帯の保険料が上がりました。

 低所得(年金収入百七十七万円未満)でみると、東京二十三区などの大都市部で78%の世帯の保険料が増加することが判明。全国的にみても年金収入二百九十二万円以上の世帯の負担減が78%であるのにたいし、同百七十七万円未満の世帯の負担減は61%にとどまりました。

 調査結果は、「一般的には、低所得者では負担が軽減され、高所得者では負担が増える傾向」というこれまでの厚労省の説明を覆すものとなりました。

 調査は、厚労省の設定したモデル世帯に基づき、二〇〇七年度の国保料(税)と新制度の保険料を比較したもの。千八百三十市区町村を対象に五月十五日から十九日にかけて実施したものです。

 しかし、厚労省調査では、モデル世帯から、最も負担増になる「ともに七十五歳以上の夫婦と子ども夫婦」などの世帯構成(約二割)をあらかじめ除外するなど実態を反映しない調査手法を採用しました。

 この調査手法については、日本共産党政策委員会が独自分析をおこない、「負担増を隠す結果へ誘導するものだ」と批判していました。



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