2008年6月5日(木)「しんぶん赤旗」

民主党の党内事情による問責提出なら支持得られない

市田書記局長が表明


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(写真)記者会見する市田忠義書記局長=4日、国会内

 最終盤の国会対応協議のため、野党四党の書記局長・幹事長会談が四日、国会内で開かれました。同会談で民主党は、福田康夫首相にたいする問責決議案を、週内あるいは週明けに参院に提出する意向であると説明しました。日本共産党の市田忠義書記局長は、会談後の記者会見で、この問題での党の基本的立場を表明しました。

 市田氏は、民主党が問責決議案提出の主な理由として、各法案の修正案づくりなどですすむ自民、公明、民主の「協調」関係を「対決」に転換させたい、後期高齢者医療制度廃止法案を衆院でも可決させたい、通常国会をこのまま終わらせてはならず、山をつくる必要があるなどとしたことを紹介しました。

 そのうえで、「当然、われわれも福田内閣が問責に値すると考えている。しかし、問責決議は非常に重いものであって、民主党の党内事情や党略的発想で提出すべき性格のものではなく、理由は同意できない。最も効果的な時期に出す必要があり、慎重に判断すべきだ」と表明。また、「後期高齢者医療制度や暮らし、雇用の破壊などの問題で福田内閣の責任を問い、世論と論戦で追いつめていくことが重要で、問責を党略的に扱うことは国民の支持を得られるものではない」と強調しました。

廃止法案審議日程での民主党の対応について

市田氏

 四日の四野党書記局長・幹事長会談では、後期高齢者医療制度廃止法案をめぐり、三日の参院厚生労働委員会理事会で民主党がとった態度についても議題となり、市田氏は会見でその中身を紹介しました。

 同理事会では、五日の委員会審議について、民主党理事が参考人質疑を午前中に実施することとともに、午後に締めくくり総括質疑と採決まで行うことを提案。委員長はこれを議決すると一方的に宣言しました。

 市田氏は、同理事会前に開催された三日の四野党書記局長・幹事長会談は、参考人質疑とともに、地方公聴会実施も含めて、充実した審議のために努力することを確認していたと指摘。民主党が四日の会談で「現場に徹底できず申し訳ない」と陳謝したことについて、市田氏は「あいまいにされては困る。これでは昨日の書記局長・幹事長会談はなんだったのかということになる。民主党のとった態度に強い不信感を抱かざるを得ない」と批判しました。

 さらに、「このような委員会運営は、結局、自民、公明が行ってきた、多数の横暴で議会制民主主義を踏みにじるやり方を、参院で第一党となった民主党がやっていると批判されてもしかたがない。後期高齢者医療制度廃止の大義を傷つけることになり正しくない」と厳しく抗議しました。


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