2008年6月3日(火)「しんぶん赤旗」

08米大統領選

争点に浮上

核削減 米にも責任

マケイン氏表明

背景に著名4氏呼びかけ


 米大統領選挙で核兵器の脅威をいかに削減するかが争点の一つに浮上しています。民主党の二人の候補者が核軍縮を訴え、軍事的には「タカ派」とみられている共和党のマケイン上院議員も「欧州配備の戦術核兵器の全廃」や「核兵器削減での米国の特別の責任」を打ち出しています。キッシンジャー元国務長官ら、著名四氏による「核兵器のない世界に向けて」の呼びかけが背景にあります。(ワシントン=西村央)


 マケイン氏が核の安全保障について述べたのは、五月二十七日にコロラド州デンバーで行った演説です。ここで同氏は、ケネディ米大統領が四十五年前、核兵器保有が少数の大国以外に広がった場合の危険を指摘したことを紹介。「ケネディの警告は今日、かつてなかったほど鳴り響いている」と述べ、核兵器の削減そのものとともに、拡散や核によるテロを抑制することの重要性にふれました。

 米国自身についても、米ソ「冷戦」が終了した今、ロシアと米国は永遠の敵同士ではないと強調。「世界の核兵器の大半を保有する両国にはその数を削減する特別の責任がある」と表明しました。

 マケイン氏の演説の背景について、米紙ニューヨーク・タイムズ五月二十八日付の論評は、キッシンジャー氏ら著名四氏の呼びかけの影響があると核政策の専門家が分析していることを指摘。四氏のうち、キッシンジャー氏とシュルツ元国務長官がマケイン氏の外交政策を補佐していることをあげています。

 民主党で大統領選の指名争いをしているオバマ、クリントンの両上院議員は、すでに著名四氏の呼びかけに支持を表明しています。

 オバマ氏は核軍縮についての政策を発表し、米ロ両国の「大幅削減」などを打ち出しています。ニューヨーク・タイムズ論評によると、オバマ氏の広報担当者であるバートン氏は「マケイン氏(の演説)は核兵器問題についてのオバマのリーダーシップを目立たせるようなもの。マケイン氏が何をいおうと、彼が上院で不拡散について何の指導性も発揮しなかったという事実を変えることはできない」と述べています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp