2008年6月3日(火)「しんぶん赤旗」
新銀行東京
累積赤字1016億円
月末減資 都出資の大部分ドブに
過剰融資などずさん経営で破たん状態に追い込まれている新銀行東京(本店・新宿区)は二日、二〇〇八年三月期決算を発表し、累積赤字が千十六億円に膨らみ、六月末に赤字分を減資する方針を明らかにしました。同行は石原慎太郎都知事のトップダウンで二〇〇四年度に一千億円を出資し設立しましたが、減資によってその大部分をドブに捨てることになります。
同行の決算資料によると、業務粗利益は約十三億円で昨年三月期の五分の一にとどまり、新規融資額が計画を大幅に下回る一方で、既存融資のデフォルト(返済不能)が下げ止まらないため不良債権処理費用約百三十億円を計上しました。保有する国債・社債など有価証券の評価損二十八億円を計上し、百六十七億三千万円の赤字となりました。自己資本比率は前年の20・6%から17・3%に低下し、決算書は「継続企業の前提に関する重要な疑義が存在」していると認めています。
津島隆一代表執行役(前東京都港湾局長)は同日、日銀で行った記者会見で、金融庁の検査が五月十六日から始まり、国内外の企業二―三社から資本提携や企業買収の提案を受けていると説明しました。
同行は二月に再建計画を発表、四月末に都から四百億円の追加出資を受けたものの、来年三月期決算でも百二十六億円の赤字を予想しています。
日本共産党都議団は、「中小企業の役に立たない」と新銀行への出資に反対し、都民の税金をドブに捨てた石原知事を厳しく追及、破たん処理し銀行業からの撤退を求めています。