2008年5月31日(土)「しんぶん赤旗」

「北」制裁延長を承認

衆院2委員会、共産党は反対


 衆院の経済産業、国土交通両委員会は三十日、日本政府が閣議決定(四月十一日)で行った対北朝鮮制裁の三回目の半年間延長を賛成多数で事後承認しました。日本共産党は反対しました。

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(写真)質問する穀田恵二議員=30日、衆院国土交通委

 北朝鮮船舶の入港禁止措置を審議した国交委では、日本共産党の穀田恵二議員が、北朝鮮の核施設の無能力化やすべての核計画の申告に向けて前向きな動きが起きている情勢を示し、政府の認識をただしました。

 冬柴鉄三国交相は「(北朝鮮は約束を)履行する意思があり、作業を続けていると見ていい」との認識を示しました。

 穀田氏は、「制裁措置を続けるのは、日本政府が核問題の解決で積極的役割を果たすうえでの障害になりかねない。拉致問題の早期解決のうえでも、六カ国協議の合意にそくして核問題の解決のための積極的な役割を発揮することが日本政府に求められている。制裁措置に対しては、情勢の進展にそくした対応をとることが大切だ」と表明し、制裁措置の延長承認に反対しました。

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(写真)質問する吉井英勝議員=30日、衆院経済産業委

 輸入禁止措置延長を審議した経産委では、日本共産党の吉井英勝議員の質問に対し、外務省の小原雅博大臣官房参事官が、北朝鮮のすべての核計画の申告の早期提出などに関し、最近の米朝間協議で「実質的な意見交換が行われた」との見方を示しました。

 吉井氏は、制裁措置は「北朝鮮を対話に復帰させ、核問題などの外交的解決を図る手段」だったはずだと指摘。この間北朝鮮が一万八千ページに及ぶ核関連の新文書を米国に提供したほか、「米中韓などの各国も北朝鮮の核放棄に向けて外交的努力をつくしている」と指摘。日本政府にいっそうの外交努力を求めました。

 反対討論で吉井氏は、日本が求められているのは、朝鮮半島非核化で先頭に立ち、平壌宣言の精神で核・拉致・過去の清算などの包括的解決のために主体的努力をつくすことだと強調しました。



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