2008年5月31日(土)「しんぶん赤旗」

弥生文化博物館残せ

大阪 日本考古学協会長が要請


 大阪府立弥生文化博物館(和泉市)などの統廃合を示した府改革プロジェクトチームの財政再建試案を受け、日本考古学協会の菊池徹夫会長(早稲田大学教授・比較考古学)は三十日、大阪府庁で、同会が存続を求めて採択した決議を橋下徹知事や議長あてに提出しました。同協会は、日本最大の考古学研究者団体(会員約四千二百人)。会長みずから要請に訪れるのは、きわめて異例のことといいます。

 「もの言わぬ文化財の代理人」として訪れたという菊池会長は記者会見で、遺跡や施設の世界的意義を強調。同日、橋下知事が部局との議論で、弥生文化博物館の廃止案は今年度の取り組みを検証したうえで検討すると言及したことに触れ、「好転する方向でいってほしい」と述べました。

 同協会の決議は、二十四日に神奈川県内で開いた総会で採択。対象となった弥生文化博物館や近つ飛鳥博物館、泉北考古資料館などの統廃合で、「府は文化財施策のうえで大きな汚点を残し、国際的な魅力や信用を失墜」すると警鐘を鳴らしています。

 要請には、大阪大学の福永伸哉教授(同会理事)と京都橘大学の一瀬和夫教授が同行しました。


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