2008年5月29日(木)「しんぶん赤旗」

東京都は残業代払え

現役職員が提訴 異常な実態ただす


 東京都教育庁の女性職員が二十八日、「長時間の超過勤務をしたにもかかわらず、残業代が支給されていない」として、四年間分の残業代四十四万三千七十円を支払うよう東京都に求めて、東京地裁に提訴しました。現職の公務員が不払い残業代の支払いを求めて裁判を起こすのは異例です。

 提訴したのは都教育庁に勤務する坂本通子さん(57)。坂本さんによると、都教育庁の多摩教育事務所(立川市)に配属されていた二〇〇二年四月から〇六年三月までの四年間で、計百三十三時間分の残業代が支払われませんでした。都職員の場合、都条例で正規の勤務時間を超えた全勤務時間について、25%の割増賃金を支払うと規定されています。坂本さんの場合、実際には四年間の残業時間のうち四割程度しか支払われず、〇六年三月には四十時間残業したにもかかわらず、四時間分しか支払われなかったといいます。

 坂本さんは都庁で記者会見し、「都人事委員会に是正を求めても却下されてきた。どうして残業を認めないのか疑問だ。公務員は何をされても何もいえないのか。訴訟を通じて、都庁の異常な実態を変えるため努力したい」と語りました。

 都庁職教育庁支部の伊東洋一支部長も「教育庁でも多くの職場で不払い残業がまん延している。坂本さんを全面的にバックアップし、都庁から不払い残業を一掃したい」と表明。代理人の笹山尚人弁護士は「法律を真っ先に守るべき都の職場でこのようなことがあってはならない」とのべました。


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