2008年5月28日(水)「しんぶん赤旗」

生命守る消費者行政を

パロマ事件遺族ら報告

東京で集会


 消費者の立場で考え行動する消費者行政新組織を実現しようと、全国五十三の消費者団体と個人でつくる「消費者主役の新行政組織実現全国会議(ユニカねっと)」が二十七日、東京都内で全国集会を開催しました。三百人を超える参加者が、熱心に聞き入りました。

 パロマ工業製のガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事件で息子を亡くした上嶋幸子さんや、多重債務に苦しんだ被害者らが報告。

 上嶋さんは二十件以上の被害があったにもかかわらず、二十八件目となる息子の事件でやっと経済産業省が調査に乗り出したことを指摘し、「誰のために事故情報を抱え込んでいたのか。国民の生命を真剣に考える消費者のための役所ができることを希望します」と語りました。

 多重債務被害者も「借金が解決することを知らずに悩んでいる人がいる。消費者行政新組織が必要だ」とのべました。

 こうした告発に沿って弁護士らが、消費者行政一元化の必要性を、解説図を示しながら説明。地方の消費者行政の確立の重要性も強調され、予算の確保や権限委譲の問題など、具体化の急務が語られました。

 各党の国会議員もあいさつにたちました。日本共産党からは大門実紀史参院議員が、「いま福田総理が消費者庁をつくる方向で動いているが、これは、みなさん方の運動がつくってきた流れ。最後まで一緒に頑張りましょう」と激励しました。


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