2008年5月28日(水)「しんぶん赤旗」
校舎倒壊 調査を開始
四川大地震 手抜き工事究明へ
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【成都=山田俊英】四川省大地震で多くの校舎が倒壊し、行方不明を含め約九千人の犠牲者を出したことについて教育省と地方当局が調査を始めました。死亡した児童、生徒の親が「手抜き工事が原因」として各地で当局を追及していました。
中国メディアによると、綿竹市五福鎮(村)の富新第二小学校については上級市の徳陽市政府が加わったチームが二十五日までに調査を開始しました。参加専門家の名を公表し、父母代表も調査団に加えるといいます。
同校では三階建ての校舎が地震ですぐに倒壊し、住民によると、校舎にいた約三百人の児童のうち二百人が亡くなりました。記者(山田)が同校を取材した二十五日には、犠牲者の親約五十人が「何も説明がない」「鎮から誰も来ない」として遺影を掲げ、鎮内を行進して当局に説明を要求しました。五年生の孫がたまたま教師に用をいいつけられ、教室を離れたために助かったという王竜群さん(54)は「がれきの下から水を飲みたいと声がしていたが、どうしようもなかった」と涙ぐみます。
都江堰市でも二十四日、市当局が作業グループをつくり、数百人が犠牲になった聚源中学・高等学校生徒の親たちと話し合いを始めたと伝えられます。建材を調べることにしています。市当局は品質に問題があれば、関係者を処分するとの考えを示しました。
教育省も専門家を現地に派遣することにしています。同省の韓進・計画局長は先に北京で行った記者会見で、倒壊校舎を調査し、手抜き工事があれば厳しく処分すると表明していました。