2008年5月27日(火)「しんぶん赤旗」
長時間勤務でうつ病に
富士通子会社に慰謝料命令
大阪地裁
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システムエンジニアとして働いていた男性が、うつ病になったのは長時間勤務や上司のパワーハラスメントのせいだとして会社側に慰謝料を請求して提訴(二〇〇四年十月)していた裁判で、大阪地裁(田中敦裁判長)は二十六日、「本件(うつ病)発症と本件業務との間には、因果関係を認めることができる」として、会社に百十二万五千円の支払いを命じました。
男性は、〇二年四月に富士通の子会社である富士通徳島システムエンジニアリング(現在の富士通四国システムズ)に入社した中原将太さん(28)=大阪市城東区在住=。同社で同僚との会話を禁じられ、上司に罵声(ばせい)を浴びせられながら午前八時四十分から午前零時すぎまで連日働かされた結果、〇四年三月に神経内科で「うつ病」と診断されました。
判決は一カ月あたり百時間を超えていた中原さんの時間外労働時間に対し、会社は「これを是正すべき義務を負っていた」と指摘。原告の発症は、それにもかかわらず会社側が「是正のための有効な措置を講じなかった」ためと断じました。
判決後、傍聴にかけつけた支援者から大きな拍手を受けた中原さんは、「三年半にわたってたたかってきましたが、病気になったのは会社の責任と認めてもらえてよかったです。今でも終電近くになると駅に労働者が殺到しています。その人たちを助けるためにも、自分の判決を知らせて、組合でがんばっていきたい」と勝訴の喜びを語りました。