2008年5月25日(日)「しんぶん赤旗」
米原子力空母が火災
8月横須賀に配備予定
【ワシントン=鎌塚由美】米海軍横須賀基地(神奈川県)に配備が予定されている米原子力空母ジョージ・ワシントン(一〇二、〇〇〇トン)が火災を起こし、乗組員二十四人が治療を受けていたことが二十三日、明らかになりました。海軍報道官は米CNNテレビに対し、「深刻な」火災に分類されると語りました。
米海軍が二十三日に明らかにしたところでは、ジョージ・ワシントンは太平洋上を航行中の二十二日午前七時五十分ごろ(現地時間)に火災を起こしました。船尾の「補助ボイラー室」付近から出火し、ケーブルを伝わって広がった火災は「船腹の一部に異常な熱を引き起こした」といいます。鎮火には「数時間」を要したとしています。
米海軍は「原子炉の安全性に問題は発生しなかった」と発表しました。
今年退役する通常型空母キティホークの後継として配備されるジョージ・ワシントンは四月初旬に、バージニア州ノーフォーク基地を出港。中南米地域に展開した後、カリフォルニア州サンディエゴに寄港するため太平洋を航行、八月中旬に横須賀に到着する計画となっています。
情報公開求めよ
市民の会
「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」の呉東正彦共同代表(弁護士)は、「原子力空母がいかに危険なものかを示した。原子力空母は配備すべきではない」とコメントしました。呉東氏は、「火薬庫、航空燃料タンク、離発着する飛行場が原子炉と隣り合わせの原子力空母の火災は大事故につながりかねない。火災の場所や原因、原子炉の状態について、政府は米軍に対し徹底した情報公開を求めるべきである」としています。
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