2008年5月25日(日)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療制度廃止へ

老人クラブ頑張る

国民の命を守るという国のあり方の問題だ


 全国老人クラブ連合会(全老連、構成員約八百万人)に加盟する各地の老人クラブで、後期高齢者医療制度の廃止や見直しを求める声が大きくなっています。


金で勘定間違いだ

 広島県老人クラブ連合会(県老連、約十五万人)は二十三日、理事会で、全老連にたいして政府に制度の抜本的な見直しを要望するよう申し入れることを決めました。

 「生命を尊重することを国策の最重要課題として、納得のいく法律にしてもらわないと認めるわけにはいきません」というのは県老連会長の高橋辰夫さん(80)。「医療という命にかかわる問題を金勘定で考えることは間違っている。国民の命と財産を守るという国のあり方が問われる問題だ」と語気をつよめます。

 同県の尾道市老人クラブ連合会の梶原寛会長(83)も「制度が決まってから二年間も説明せず放置して、勝手に年金から天引きするのはけしからん。所得の少ない人に対する思いやりも十分ではない」と話します。

火の粉は払わねば

 高知県では、四万十市老人クラブ連合会が四月二十四日の総会で反対を決議しました。

 決議は、同制度を「高齢者の命と暮らしを破壊する老人いじめの制度である」と批判、「降りかかる火の粉は自分の手で振り払わなければなりません。声を大にして立ち上がろう」と表明しています。

 同会の岡田道夫会長(76)は「できる限りのことをやりたいと県知事や総理大臣あてに文書を送った。野党四党首にも手紙を出した。県の会議でも全国の老人クラブが動こうやと呼びかけている」といいます。

 同県では、土佐清水市老人クラブ連合会も三月末の理事会で反対決議をあげました。同会の弘田浩三会長(78)は「連携できる市町村と手を結んで廃止を求めるとりくみをしたい」と話しています。高知市老人クラブ連合会も四月実施の中止・撤回を求める署名五千七百人分を高知県知事に提出しています。

 このほか、「理事会や役員会で調整している」(沖縄)、「役員会を開いて行政への要望を出していく」(和歌山)など複数の県老連が対応を検討しています。



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