2008年5月19日(月)「しんぶん赤旗」
会員制リゾート破たん
200億円集め1万人被害
「パルアクティブ」
「四季の旅」「ユニバーシティ倶楽部」などの会員制リゾート施設運営大手の「パルアクティブ」(東京都新宿区)が、民事再生法の適用を東京地裁に申請していたことが十八日までにわかりました。六日には、貸し別荘やリゾートホテルの運営を手がけている「セラヴィリゾート泉郷」(同豊島区)が、同地裁に会社更生法の適用を申請しており、リゾート会員権商法の問題点が浮かび上がっています。
「パルアクティブ」は、一九八九年十一月に会員制リゾートクラブの運営を目的に設立。施設を低額料金で利用できる数種の会員権募集を行ってきました。同時に、倒産した大型リゾートホテルを次々と買収したり、大企業や大企業の健康保険組合が所有している保養所の運営の委託を受けるなどして、利用施設を百カ所以上に拡大、二〇〇六年の年商は約五十九億円にのぼりました。
仕組みは、会員権を入会金約百万―二百万円で購入、さらに年会費約三万―四万円を払えば、国内外のリゾート施設を無料や割引価格で利用できるというもの。ところが、この拡大路線は、運転資金の肥大化や人材不足をもたらしたうえ、「予約しても利用を断られる」といった事態を生みました。
同社は、ことし一月には、予約センターを閉鎖。三月には年会費請求が困難になり、社員のほとんどが退職、経営を維持できなくなりました。
同社によると、四月二十八日に、一部会員から破産申し立ての通告を受け、会員はじめ債権者の権利を最大限確保するため、五月十二日に民事再生を申し立てたといいます。
負債総額は約四十五億円で約一万人以上に会員権を販売、二百億円前後を集めたとされます。同社の代表取締役社長、齊藤具秀氏は自民党栃木県議です。
十九日には、債権者説明会が東京都大田区で開かれます。会員から「経営破たんを知りつつ、会員募集を続けていたのではないか」との声があがっています。