2008年5月18日(日)「しんぶん赤旗」
「先進国主導」変えよう
BRICsが初の外相会議
石油・食料高騰問題など議論
【ニューデリー=豊田栄光】ロシアのエカテリンブルクで十六日、同国とブラジル、インド、中国の四カ国(BRICs)による外相会議が初めて開かれ、石油や食料の高騰問題や米国のサブプライムローンの世界経済への悪影響対策などについて議論しました。
四カ国は「法の支配と多国間外交に基づく、より民主的な国際システムの構築は避けられない時代」(共同コミュニケ)との認識で一致し、今後は経済、財務大臣会議も開催していくことで合意しました。
BRICsは経済発展が著しい新興国の集まりで、世界の人口の約40%、面積で三割を占めます。世界経済への影響力を背景に、先進国主導の国際環境を変えていこうとしています。
外相会議後の記者会見でインドのムカジー外相は、「新興国が世界経済のさらなる悪化を防いできた。過去とは状況が異なっている」と強調。ブラジルのアモリン外相は「BRICsは世界秩序を変えつつある」と発言しました。
また中国の楊潔篪(ようけつち)外相は「この会議には南南協力と南北対話を促進する力がある」と語り、ロシアのラブロフ外相は「BRICsは見せかけの枠組みではなく、実際に生きている枠組みだ」と自信をのぞかせました。