2008年5月18日(日)「しんぶん赤旗」
「一院制」議論
民主・鳩山氏 「ご都合主義」というが…
民主党の鳩山由紀夫幹事長は十六日の記者会見で、自民党の国会議員が同日発足させた「衆参両院を統合し、一院制の新国民議会を創設する議員連盟」について「自分たちの考えが通らないから(二院制から一院制に)制度を変えろというのは、ご都合主義以外の何ものでもない」「あまりにも身勝手な発想だ」と強く批判しました。
一院制をめざす議連といえば、二〇〇三年に自民、民主、公明、保守新、自由各党の衆参国会議員約百人が参加し、「衆参対等統合一院制議員連盟」というものがつくられたことがあります。鳩山氏はその議連の会長代行に就任し、会長の衛藤征士郎元防衛庁長官らと一院制実現に向けた勉強会を開催。自身も〇四年から〇五年にかけて雑誌上などで「憲法改正試案」を発表し、「一院制」への移行を明確に主張していました。
会見で鳩山氏は、当時の考えについて「(二院制では)手間もかかるという弊害があると、一般的にそう思っていたので」と言いつつ、「ねじれというものが存在している状況だから、むしろ参院も衆院も存在価値を逆に高める可能性も出てきている」と発言しました。
「一院制」の動きに道理はないというのは正論ですが、鳩山氏自身、過去の言動に照らした検証が必要ではないでしょうか。(信)