2008年5月16日(金)「しんぶん赤旗」
原子力空母問う住民投票条例
主権者の意思示す場
横須賀市議会 請求者が陳述
条例案きょう採決
十五日の神奈川県横須賀市議会本会議で、原子力空母の横須賀配備及び安全性を問う住民投票条例の制定を求め、「住民投票を成功させる会」共同代表の新倉裕史、三影憲一、小林麻利子、呉東正彦、今野宏の五氏が意見陳述しました。
新倉氏は、市が米軍から原子力艦船の被ばく事故が数件起きていると知らされながら詳細な情報提供をせず、安全性についての市民の質問や公開討論に答えなかったことを批判しました。
新倉氏は、「外交関係の処理など国の決定に地方自治体が関与し制限するようなことは認められない」との理由で蒲谷亮一市長が住民投票を否定していることに対し、住民投票は「主権者として意見を言う場を法的に確保する」ことを求めることだと反論。言うべきことを言わなければ「米海軍に『どうぞお好きなようにしてください』となる」とのべました。
また、条例制定を求める住民署名者が前回より一万人増えたことにふれ、「市民参加と自治意識の高まりを市議会は歓迎すべきだ」とのべました。
全駐留軍労働組合神奈川地区本部委員長の三影氏は、基地で働く市民七千人の被ばくの危険を指摘。原子力空母は一切の情報を公開しない軍事機密であり、その存在自体が危険だとのべました。元横浜国立大講師の今野氏は、国の原子力基本法による「民主・自主・公開」の「原子力平和利用の三原則」による規制を一切受けない原子力空母配備を批判しました。
住民投票条例案は十六日の本会議で討論の後、採決される予定です。
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