2008年5月15日(木)「しんぶん赤旗」
新銀行東京
「しっかり検査する」
吉井議員 金融庁局長が答弁
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経営破綻(はたん)に直面している新銀行東京にたいし金融庁が監督指導責任を果たしてこなかった実態が、日本共産党の吉井英勝議員の十四日の衆院経済産業委員会での追及で明らかになりました。
吉井氏は、同銀行では、融資直後に不良債権になるような融資先が営業開始直後から続出し、すでに約六百社が経営破綻していると指摘。「どういう監督検査をしてきたのか」とただしました。
金融庁の西原政雄監督局長は、営業開始一年後の二〇〇六年三月期決算で二百九億円の損失が生じていた事実を示しつつも、「オフサイトモニタリング(決算状況などの監督)」を行ってきただけで、「オンサイトモニタリング(立ち入り等による検査)」は今年四月二十五日に初めて着手したことを明らかにしました。
吉井氏は「大銀行は年一回検査している。なぜ新銀行東京はここまで放置してきたのか」と追及。西原局長は「放置しているわけではない」としながら、財務の健全性などで「自助努力を促しているという現状だ」と述べ、事実上の放任状態が浮き彫りになりました。
吉井氏は、金融庁の責任は「非常に重い」と指摘。同銀行が当初、経営計画で営業開始三年後の赤字を予測していたのに、東京都が「黒字」に書き換えさせた問題も含め検査で解明するよう要求しました。西原局長は「しっかりとした検査を実施したい」と答えました。