2008年5月14日(水)「しんぶん赤旗」

労働条件改善こそ

介護保険めぐり参考人質疑


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(写真)参考人質疑する小池議員=13日、参院厚生労働委

 参院厚生労働委員会は十三日、不正を行う介護事業者への規制を強化する介護保険法改正案などについて、参考人質疑を行いました。参考人からは、介護労働者の劣悪な労働環境の改善を求める意見が相次ぎました。

 東京介護福祉労働組合書記長の清沢聖子氏は、低賃金・長時間労働で、労働基準法が守られていない介護現場の実態を紹介。国・自治体が補助金を創設して、介護保険の利用料にはね返らない方法で労働条件を改善し、「介護現場を支える若者たちや子どもたちが夢をもてる職業にしてほしい」と発言しました。

 千葉県介護福祉士会理事の松下やえ子氏は「規制を強化しても、介護報酬を見直さなければ不正の再発は防止できない」と強調。劣悪な労働環境が原因で、希望がもてずにやめていく介護労働者が続出しており「マンパワーが集まらなければ、『持続可能』どころか制度が根底から崩れてしまう」と指摘しました。

 日本共産党の小池晃議員は質疑で、「コムスンの不正事件にあらわれたように、営利化・市場主義化が介護をゆがめている現状があるのではないか」と質問しました。清沢氏は「営利企業の参入には危機感を持っていたが、予感があたった」と述べ、利用者の介護・生活が保障できるよう、自治体などが最後のとりでとして安心を守る対応が必要だと答えました。

 小池氏は、介護労働者の労働条件の改善のため、介護報酬の引き上げとは別枠で、公費による財源の保障が必要ではないかと質問。岩村正彦・東京大学教授も「政策としては考え得る」と述べました。



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