2008年5月12日(月)「しんぶん赤旗」
文化切り捨て許せない
大阪・弥生文化博物館 存続求め市民集会
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大阪府改革プロジェクトチームの財政再建試案(PT案)が施設の廃止を示した、和泉市の府立弥生文化博物館の存続を求める市民集会が十一日、同館近くの池上曽根史跡公園内に復元された「いずみの高殿」前で開かれました。これに先立ち、地元住民や市議らは同館を守ろうと「市民の会」を結成。存続を求める署名を今月中旬にも橋下徹知事に提出する考えです。同日までに約一万人分の署名が集まっているといいます。
同博物館の廃止、府立近つ飛鳥博物館(河南町)への統合―を示したPT案を受け、考古学などを専門とする佐古和枝・関西外国語大教授らが講演しました。佐古氏は、鳥取県内での遺跡の保存運動について紹介。文化や歴史に立脚した街づくりの重要性を指摘したうえで、施設の統廃合の判断基準が明らかにされないまま「押し切られるのは納得がいかない」「考古学界にとっても大損失」だなどと訴えました。
京都橘大の一瀬和夫教授や、史跡公園の整備にかかわった岸本直文・大阪市立大准教授は、一九六〇年代から続く同史跡の保存運動の意義を解説。史跡や博物館は一体のものだと強調しました。
住民からは「どうしたら博物館を守れるのか」といった率直な質問のほか、「日本人の文化を切り捨てるもの。認めがたい」といった意見が聞かれました。
集会には、井坂善行・和泉市長や神谷昇・泉大津市長らが同席。PT案に異議を訴える宣言書を採択しました。