2008年5月9日(金)「しんぶん赤旗」
“宇宙軍拡”法案きょう採決
自公民が決定 質疑わずか2時間
衆院委
衆院内閣委員会は八日の理事会において、宇宙基本法案を九日の同委員会で、わずか二時間の質疑を行い採決することを自民、公明、民主が決めました。日本共産党の吉井英勝議員は審議を急ぐべきではないと主張しました。
自民、公明、民主が共同提案した同法案は、宇宙の軍事利用の拡大・推進や内閣に宇宙開発戦略本部を設置するもの。
同日、理事会に示された「宇宙基本法案骨子」には、「我が国の安全保障に資する宇宙開発利用の推進」や「宇宙開発利用に関する情報の管理」との文言が盛り込まれています。「安全保障」の名で日本も宇宙の軍事利用に参加し、宇宙開発技術を「情報の管理」の名で、軍事機密のベールに包み隠そうとしています。
ロケットなどの宇宙開発をめぐる一九六九年五月の国会決議は、開発や研究を平和の目的に限るとしています。この平和原則のもとで日本の宇宙科学・技術分野は成果を上げてきました。宇宙基本法案は、憲法の平和原則に反し、「ミサイル防衛」など日米軍事利権の一翼を担う危険な内容が含まれており、国会決議に反するものです。
宇宙の軍事利用をめぐっては、自民党国防族と防衛省幹部、三菱重工業や三菱電機など軍事企業幹部の政軍財でつくる「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」が、二〇〇六年の報告書で国会決議の「平和利用の解釈」の変更を要求。〇七年、自民、公明両党が同会の文書をふまえ、最初の宇宙基本法案を国会に提出。今回、与党案を取り下げ、九日に民主も加わった三党共同案を提出し、一気に採決に持ち込むものです。