2008年5月8日(木)「しんぶん赤旗」

7%以上が就職断念

日高教・全国私教連 卒業生の実態調査


 日本高等学校教職員組合(日高教)と全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)が実施した二〇〇七年度卒業生の就職実態調査(四月発表)から高校生をとりまく実態が浮かび上がりました。その特徴をみると―。

 就職率は92・6%で前年を0・6ポイント上回り、六年連続で上昇しましたが、当初の就職希望者のうち7%以上が就職をあきらめていることがわかりました。

 調査は二十九道府県四百五十四校、七万一千五百七十四人の実態を反映したもので、就職希望者は二万二千百六十二人。

 「就職・進学以外」(就職できなかった生徒と進学も就職もあきらめた生徒の合計)は全卒業生の5・5%です。担当者からは、経済的理由で入学を辞退したり、進路変更を余儀なくされる事態が出ているとの声が寄せられています。「県外の企業を受ける場合、旅費が出せない家庭もあり、教員が立て替えている」との報告もあります。

 就職決定者のうち不安定雇用の割合は2・9%です。日高教の佐古田博副委員長は「正規採用も低賃金で労働環境が厳しく早期離職が生まれ、不安定雇用に流れる状況がある」と指摘します。

 就職率は男子95・2%に対して女子88・6%で6・6ポイント差。北海道・東北は平均より3・9ポイント低く、地域間格差が続いています。定時制・通信制高校の就職率は76・6%です。障害児学校高等部の就職率は81・2%で就職・進学以外が卒業生の71・4%と困難な状況です。

 日高教の佐古田副委員長は「企業と政府の責任で正規雇用を増やす、不安定雇用の求人の規制など安定した雇用を求めていきたい」と話しています。



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