2008年5月3日(土)「しんぶん赤旗」
「宇宙軍拡」法案 提出へ
自公民、連休明けにも
宇宙開発を平和目的に限るとした一九六九年の国会決議を無力化し、宇宙の軍事利用を推進することをねらいとした宇宙基本法案の修正案が、連休明けにも、自民、公明、民主三党共同で提案される可能性がでてきました。
宇宙基本法案は昨年六月、自民、公明両党の議員提案として国会に提出されました。今国会でも継続審議中の扱いとなっていますが、最近になって、与党と民主党の間で一部修正を行うことで合意が成立。いったん与党案を取り下げたうえで、修正案を提案しようとしています。
宇宙基本法案には、「我が国の安全保障に資する宇宙開発利用を推進する」との文言が盛り込まれ、これまで軍事利用の歯止めとなってきた国会決議を無力化しようとしています。
これまで日本は、平和利用原則のもとで、宇宙科学・技術分野で世界に誇れる成果をあげてきました。宇宙の軍事利用推進をめざす宇宙基本法案にたいしては各方面から見直しを求める声があげられています。
日本国憲法の平和主義に基づく訴えや、核兵器廃絶などの呼びかけをおこなってきた「世界平和アピール七人委員会」は昨年十一月、平和目的に限定した宇宙基本法の制定をめざすべきだとして、与党によって提案された法案の再検討を求めるアピールを発表しています。