2008年4月30日(水)「しんぶん赤旗」
米軍
グアムの新基地計画「概要」
海兵隊部隊の配置公表
米海軍の「統合グアム計画室」(JGPO)はこのほど、在沖縄米海兵隊部隊八千人の「移転」に伴うグアムの新基地計画(マスタープラン)の「概要」を公表しました。日本国民の税金約七千億円の支出を伴う新基地計画が進んでいることを示しています。
「概要」では、グアム北部の米海軍通信基地(フィネガヤン)に第三海兵遠征軍(IIIMEF)、第三海兵師団、第一海兵航空団、第三海兵兵たん群(現在はいずれも沖縄に配備)や兵員・家族の居住区域などの配置図が初めて示されました。
米海兵隊が使用するジャングル戦闘訓練、都市型戦闘訓練や射撃訓練場などの建設が新たに計画され、「追加的な土地が必要」としています。これらの場所は未定で、グアムに連なる北マリアナ諸島も候補地となっています。
ただし、新基地建設に伴う環境影響評価の最終報告が二〇〇九年末になるため、マスタープランの完成は一〇年以降になる見通しです。JGPOは〇八年夏に完成すると説明していましたが、「事務レベル」のマスタープランの公表にとどまるとしています。
住民に強い不安
凶悪犯罪や交通事故・渋滞、環境破壊などの元凶となり、沖縄県民を苦しめている米海兵隊。グアム住民も強い不安を持っているようです。
マスタープラン「概要」には、Q&Aで疑問に答えるという形式を取っています。
「(トラックや重装備の移動で)交通にどんな影響を与えるのか」「すべての米兵住宅は基地の中につくられるのか」「飛行訓練の際、近隣に与える影響は」などの「質問」に、「私たちの目標は、地域社会への影響を最小限にすることです」などと答えています。
グアムでは、新基地建設に伴う経済効果への期待の一方、米海兵隊移転候補地の周辺では、不安が強まっています。JGPOは五月中旬から、「概要」に基づく住民説明会を開催します。
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今後の計画
08年7月
「事務レベル」マスタープラン公表
09年末
環境影響評価(EIS)最終報告書
10年1月〜
マスタープラン完成⇒新基地建設開始
12年
沖縄から米海兵隊「移転」開始
14年
「移転」完了
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