2008年4月30日(水)「しんぶん赤旗」

「一般財源」逆手に消費税増税を狙う

自公党首会談で合意


 政府・与党は三十日の衆院本会議で、ガソリン税の暫定税率を復活させる租税特別措置法改定案の再議決を強行する構えです。再議決は、福田康夫首相と太田昭宏公明党代表との与党党首会談(二十八日)で合意されたもの。この合意は、暫定税率復活による大増税を国民に押し付けるだけでなく、消費税増税も狙う中身となっています。


 「道路政策の在り方及び道路税制を含む税制抜本改革について成案を得、二〇〇九年度より実現するため、与党の協議会を設け、速やかに検討に着手する」―再議決とセットで合意文書に掲げられたのは、「税制抜本改革」を二〇〇九年度に実現するという方針です。新たに設置する与党協議会には与党の政調会長や税制調査会長らがメンバーに加わる予定です。

 「税制抜本改革」は、与党が昨年末に決定した「〇八年度税制改正大綱」で「消費税を含む税体系の抜本的改革」と位置づけているように、消費税増税を意味する政府・与党の“合言葉”です。

 福田首相自身、道路税制と抱き合わせで示す「税制抜本改革」の中身について「(消費税を)増やすかどうかという議論も当然入ってくる」(七日の参院予算委員会)と明言。自民党の津島雄二税制調査会長も、道路特定財源問題の政府・与党決定(十一日)で「道路特定財源制度は税制抜本改革時に廃止」と明記された点について「抜本改革というのはタブーを設けずにやることだ」(十四日)と述べ、消費税増税を含めて検討する考えを示しています。「道路特定財源の一般財源化」という国民の願いを逆手に、消費税増税の議論に持ち込もうとしているのです。

 今回の与党党首合意では、道路特定財源の〇九年度からの一般財源化など、「政府・与党決定に基づき、必要な法改正について年内に成案を得、国会に提出し成立を図る」ことも掲げました。この対応自体、暫定税率・道路特定財源制度を復活させる法案を再議決する政府・与党の道理のなさを告白したものです。



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