2008年4月30日(水)「しんぶん赤旗」
老人医療費“伸び抑制”
厚労省 「適正化」方針に明記
厚生労働省は、二〇〇八年度から「医療費適正化に関する施策についての基本方針」を作成し、各都道府県に医療費抑制のための計画を作らせています。厚労省の「基本方針」には「老人医療費の伸び率を中長期にわたって徐々に下げていくものでなければならない」と明記。都道府県に、高齢者の医療費を抑え込むことを強く求める内容になっています。
基本方針は、後期高齢者医療制度導入を定めた高齢者医療確保法に基づき、三月三十一日に舛添要一厚労相が告示したもの。都道府県がつくる医療費適正化計画の「指針となるべき基本的な事項」を盛り込んでいます。
基本方針では、医療費が「過度に増大しないようにしていく必要がある」と強調。「超高齢社会の到来に対応するものであること」を「計画の基本理念」に掲げました。
そのなかで、二〇二五年に七十五歳以上人口が約二千二百万人になると推計されているとして、「現在は国民医療費の約3分の1を占める老人医療費が国民医療費の約半分弱を占めるまでになる」と指摘。「これを踏まえ、医療費適正化のための具体的な取組」を各都道府県に求めています。
基本方針は、後期高齢者医療制度の発足と一体で、高齢者の医療費圧縮を計画的に推進することを目的にしています。
第一期計画(〇八年―一二年)では、医療費抑制の柱に(1)入院期間の短縮(2)生活習慣病予防を大きな柱として、位置づけています。入院期間短縮では、長期入院の高齢者が入院する療養病床の大幅削減(三十八万床から十五万床)計画を都道府県に押し付けようとしています。
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