2008年4月29日(火)「しんぶん赤旗」

米環境保護局

政治介入経験 科学者の6割


 【ワシントン=鎌塚由美】米国の科学者団体「憂慮する科学者連盟」(UCS)はこのほど、米環境保護局(EPA)の科学者の六割が「過去五年間に政治的介入を経験した」と回答したアンケート調査の結果を明らかにしました。

 千五百八十六人のEPAの科学者に調査したところ、六割が「政治的介入」を経験したほか、「EPA高官が研究成果を不正確に伝える」のを「しばしば体験した」科学者は31%にのぼりました。「ある規制を正当化するために選択的にデータが使われた」と述べたのが22%で、17%が「資料から情報を不適切に排除するよう指示された」と答えました。

 UCSは、環境への影響を評価し規制を強化する場合の「政治的介入」が「最も目立つ」と指摘。百人近い科学者が原因として、ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)に言及しました。

 ある科学者は「OMBとホワイトハウスの影響力は国民の目から隠され、産業界のロビー活動によって動かされていることがほとんどであり、提案された規制が非科学的、政治的理由から、厳格でないものにされている」と回答。「OMBの権限は監督されなければならない。しばしば産業に優位なように規制の制定や政策決定を弱体化させた」と述べる科学者もいました。

 EPAは、「国民の健康と自然環境保護」に責任を負う政府機関で、そのための規制を行います。


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