2008年4月28日(月)「しんぶん赤旗」
文教施設協会企業に
23官僚天下り
政官業癒着の接点
文部科学省の文教施設整備をめぐる汚職事件で、同省職員やOBらが贈賄側とゴルフや会食をしていたことが判明していますが、同省文教施設企画部出身の職員が社団法人「文教施設協会」の会員企業二十三社に天下りしていることがわかりました。文教施設工事の受注を希望する業者でつくる同協会は、旧文部省出身の自民党・柳川覚治元参院議員(故人)が約二十年の長きにわたって会長を務めるなど、政官業癒着の接点となっています。
日本共産党の石井郁子衆院議員の求めに文科省が提出した資料でわかったもの。
これによると、同省の「建築技官の王国」といわれる文教施設企画部の経験者で、国立大学の施設部長や地方工事事務所長などを経て、文教施設協会の正会員企業に天下りしたのが、二十社二十人。賛助会員企業にも三社、三人が天下りしています。戸田建設や西松建設、鉄建建設、銭高組などの中堅ゼネコンなどです。(表参照)
このうち、日本共産党の井上哲士参院議員が二〇〇六年三月の参院予算委員会でとりあげた同省OBでつくる談合組織「櫟(くぬぎ)の会」(その後解散)の会員企業も、朝日工業社、日立プラント建設、三機工業など九社含まれています。
一方、現在の勝山正嗣専務理事(鈴鹿工業高等専門学校長)、渡邊正雄常務理事(大臣官房文教施設部仙台工事事務所長)の二人を含め、文教施設協会の歴代専務理事、常務理事計八人も文教施設企画部の経験者だったことがわかりました。
一九七一年九月に設立された文教施設協会の会長は、旧文部省の体育局長、管理局長を歴任、八三年の参院選比例区で初当選した柳川元参院議員(二〇〇四年死亡)が、〇一年に引退するまで務めました。
今回、文科省元文教施設企画部長の大島寛被告(59)への贈賄容疑で逮捕、起訴された五洋建設の子会社「ペンタビルダーズ」顧問の倉重裕一被告(58)は、「会長秘書」の名刺をつくり活動するなど、国立大学などの工事の受注を希望する業者間の“仕切り役”といわれており、癒着の構造の解明が求められています。
|