2008年4月27日(日)「しんぶん赤旗」
長野で聖火リレー
小競り合いも
北京五輪の聖火リレーが二十六日、長野市で行われました。八十人のランナーが雨のなか、午前八時半から午後零時半すぎまで、十八・七キロのコースを走りました。
著名なランナーの走行中、物が投げこまれたり、男が接近してくるなど緊迫した場面もありましたが、沿道の温かい声援をうけて走り終えました。
午前八時十五分からの出発式後、北京五輪野球代表の星野仙一監督が聖火を掲げてスタートしました。
中国側が用意した二人の伴走者と、九十人の警察官が二列になって聖火ランナーを護衛しましたが、萩本欽一さんが長野駅前にさしかかった時、沿道から紙束が投げ込まれました。十九番目の走者、卓球の福原愛選手に沿道から男が近づき、取り押さえられました。
アテネ五輪女子マラソン金メダリストの野口みずき選手が、最終ランナーとして若里公園に到着しました。
公募ランナーの竹内忠雄さん(61)=会社員=は、所属するスキークラブやコーチを務める障害者など仲間の声援をうけて走りました。「平和でなければスポーツはできない。チベット問題など騒がれましたが、聖火こそ平和の象徴だという思いをこめて、高く掲げました」
出発式会場や長野駅の周辺コースには早朝から、応援にきた中国の若者たちが集まりました。一方でチベットの旗を持った集団に右翼団体がまじって「中国に帰れ」などと、中国の若者たちを挑発。各所で小競り合いになる場面もありました。
こうしたトラブルで五人が逮捕され、四人が負傷しました。
コース沿道で騒ぎをみていた地元の六十代女性は、「悲しい。十年前、長野五輪に聖火が来たときはみんな道にでて歓迎一色でした。世界の幸せのために聖火リレーをしたいと思っている人もいるので、無事に通してあげてほしい」と語っていました。