2008年4月27日(日)「しんぶん赤旗」
陸自、銃携え街行進
「創設100周年記念」 帝国陸軍を継承
津市
三重県津市の陸上自衛隊久居駐屯地の部隊が二十六日、同市の繁華街を通る国道23号で市中パレードを行いました。同駐屯地部隊による市中パレードは、一九六八年に自衛隊創設十八周年記念として行われて以来四十年ぶりです。
市内では藩主の藤堂高虎入府四百年を記念した祭りが行われていましたが、多くの人出でにぎわう街中を、銃を携えた約三百人の隊員が、ミサイルや装甲車など軍用車両約六十台を連ねて行進。沿道では、日本共産党や平和委員会などが横断幕やプラカードを掲げて抗議行動を展開しました。
パレードは、同駐屯地周辺で実施されている「駐屯地創設百周年記念行事」の一環として行われたもの。「百周年」は戦前、同地に置かれていた帝国陸軍歩兵三三連隊の歴史から数えたもの。
同駐屯地司令兼第三三普通科連隊長の甲斐芳樹一等陸佐は、地元新聞に寄せた「創設百周年を迎えて」と題した一文で、陸軍歩兵三三連隊を「日露戦争、支那事変に参戦し数々の戦果をあげ精強部隊として名をとどろかせた」と持ち上げ、「輝かしい歴史と伝統を後世に継承したい」と発言しています。
パレードを前にして津市在住の女性(67)は「平和な街中を何なのよという感じです。本当に違和感があります。まして、あれが全部税金だと思うと、いじめられている高齢者として腹が立ちます」と憤まんやる方ない様子でした。
県平和委員会の笠井貴美子事務局長は「まったくの『軍事パレード』。イラク派遣に憲法違反の判決が出た直後だけに許せません。『百周年』という言い方が憲法違反であることを、彼ら自身が理解していないところに空恐ろしさを感じます」と話していました。