2008年4月25日(金)「しんぶん赤旗」
米軍施設外の専用住宅
事実上の基地拡張
参院委で井上氏追及
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日本共産党の井上哲士議員は二十四日の参院外交防衛委員会で、在日米軍基地の外に米兵が居住するための米軍専用マンションの建設が進んでいる実態を示し、「事実上の基地拡張だ」と指摘しました。
在日米軍への「思いやり予算」などで基地内に建設されている家族住宅のうち、二割以上が空き家になっています。
井上氏が、空き家状況も把握せずに「思いやり予算」で家族住宅建設を進めてきたのかとただしたのに対し、石破茂防衛相は「なぜこんなに空いているのか、掌握は必要だ」と釈明しました。
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米軍は「軍人の基地外居住は、海兵隊及び軍人の健康と福祉にとって、最善の利益をもたらす」(「海兵隊住居管理マニュアル」)として基地外居住をすすめ、二〇〇三年には在日米海軍も、基地外の民間住宅を米兵に提供する「賃貸住宅提携プログラム」(RPP)を立ち上げています。
米海軍基地がある長崎県佐世保市には「この建物は米軍専用住宅です。関係者以外無断で立ち入らないでください」と書かれた看板が掲げられたマンションまであり、まるで米軍施設そのものです。井上氏はこのほか、神奈川県横須賀市では、小学校の向かいに米軍専用マンションが建設されたことも挙げ、実態をつかんでいるのかとただしました。
外務省の木村仁副大臣は「(米軍と民間との)私的な契約であり、政府がコメントする立場にない」などと答弁。井上氏は「米軍住宅建設は日米政府間の協議で進められてきた。地域住民にも自治体にも特別な存在だ」と述べ、実態把握を求めました。
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