2008年4月25日(金)「しんぶん赤旗」
東芝差別争議が和解
処遇是正・再発防止の協定
たたかい40年ごし
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電機大手の東芝(本社・東京都港区)が、働きやすい職場の実現をめざして活動していた日本共産党員や労働者を排除するため昇進・昇格差別を行ってきた事件で、是正を求めていた労働者九十六人は二十四日、差別された処遇の是正、解決金の支払い、再発防止を内容とする全面和解協定を東芝と結びました。
「四十年越しの解決。職場に民主主義を取り戻す運動の成果だ」。不当労働行為の救済を労働委員会に申し立てている十二人と、差別の是正を求めている「人権を守り差別のない明るい職場をつくる東芝の会」の八十四人が、東京都港区の中央労働委員会で協定を結んだことが報告されると、集まった支援者から拍手がわきおこりました。
「明るくする会」の石川要二郎会長(60)は「申立人以外の労働者も一緒に是正でき、画期的な解決を喜んでいます。明るい職場づくりに現役もOBも頑張りたい」と話しました。弁護団長の岩村智文弁護士は「差別のない職場をつくることが労働条件を向上させるうえで欠かせない。差別を打ち破ったことは、今後のたたかいに大きな力になる」と強調しました。
協定では、東芝と関連会社の現役労働者について処遇を見直し、他の従業員と同様に公正に扱うことを明記。退職者も含めて労働者に解決金を支払い、今後、差別事件が再発しないよう努力するとしています。
東芝差別争議 東芝は、一九六〇年代から要求実現に努力する労働者らを排除する労務管理に乗り出しました。秘密組織もつくって、労組役員から排除し、重要な仕事からもはずし、昇進・昇格面で差別してきました。労働者らは九五年に会を結成し、不当労働行為の救済を神奈川県労働委員会に申し立て。県労委に続いて中央労働委員会も二〇〇四年、「組合に対する支配介入」と認定、是正を東芝に命じました。