2008年4月23日(水)「しんぶん赤旗」
“塀の中”まで米兵優遇
井上氏批判
日本共産党の井上哲士議員は二十二日の参院外交防衛委員会で、横須賀刑務所内での米兵受刑者の食事の特権的な厚遇を告発し、「米兵が日本で犯罪を犯しても、たいしたことはないという意識を生み出す」と批判しました。
この問題は一九九七年に日本共産党の緒方靖夫参院議員(当時)が指摘しています。井上氏も二〇〇二年に追及しました。
法務省が井上氏に提出した献立の資料によると、今年三月でも、ステーキやほぼ毎食ごとのデザートなど日本人受刑者より優遇された内容が用意されています。米軍が補充食料として食材を提供しているもので、年間十三トンにおよびます。外務省の西宮伸一北米局長は、厚遇の根拠に「(逮捕された米兵に対し)習慣等の相違に考慮を払う」とした日米合意を挙げました。
井上氏が米兵以外の外国人受刑者にも、補充食料が認められた例があるかと質問。法務省の梶木壽(ひさし)矯正局長は「承知していない」と答弁。井上氏は「『習慣』ではなく、米兵だから厚遇されている」と指摘しました。
また、全国の米軍基地爆音訴訟判決で命じられた賠償額の総額と、米側が支払った額を追及。防衛省の中江公人官房長は、総額が百二十二億円で、米側は全く支払っていないことを明らかにしました。
井上氏は「民事裁判で賠償を命じられても払わない。刑事裁判により服役しても優遇されている。これを放置するわけにはいかない」と述べ、早急に解決を求めました。
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