2008年4月23日(水)「しんぶん赤旗」

全国学力テスト実施

“序列化、競争激化”批判も


 文部科学省は二十二日、小学六年生と中学三年生の約二百三十二万人を対象にした全国一斉学力テスト(学力・学習状況調査)を行いました。序列化や競争激化を招き、教育をゆがめるとの批判がある中での実施です。

 同日は全国約三万二千の小中学校で国語、算数(数学)のテストと、生活習慣や学習環境についてのアンケート調査が実施されました。公立では愛知県犬山市の十四校が不参加。私立の参加は昨年より約8ポイント少ない53%にとどまりました。

 特定学年の全員を対象にした学力テストは昨年、四十三年ぶりに実施され、今年が再開二年目。

 文科省は「実態を把握して指導の改善を図るのが狙い」としています。しかし、昨年のテストでは、成績の悪い学校の校長が教育委員会に呼び出され、教師が始末書を書かされた(秋田県)という例もあります。テスト対策として直前に類似の問題を繰り返しやらせた学校や教育委員会もあり、学力テストが学校を競争に追いやる事態が現実になっています。

 採点や集計は企業に委託されており、受験産業にデータが流れることへの批判も出ています。

 佐藤学、小森陽一両東京大学教授、堀尾輝久東京大学名誉教授らが連名で出した「全国学力テストの中止を求めるアピール」への賛同者はこれまでに二千人を超えています。



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