2008年4月22日(火)「しんぶん赤旗」
防衛省
依然多いセクハラ
「地位高い上司から」増
上司や幹部による女性へのセクハラは依然多い――防衛省が二十一日に発表したセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)についての調査結果でこんな実態がわかりました。
調査は昨年八月に防衛省本省や陸海空自衛隊の全部隊・機関から無作為抽出した男女二千人を対象に実施しました。回答はいずれも複数回答。
「どんな行為をセクハラと思うか」では、性的関係の強要をあげたのが男女とも100%近くで、前回(一九九八年)とほぼ同様でした。「裸・水着ポスターの掲示」についても「セクハラと思う」との回答が男女とも前回の倍近い七割、六割を占めるなど、セクハラ問題の意識が高まっていることを示しています。
実際にセクハラ行為を受けた「経験がある」は女性で13・4%(前回37・8%)と大幅に減少しています。しかし女性へのセクハラでは「直接の上司」によるセクハラは28・8%から27・1%と微減しているものの「より地位の高い上司」(13・1%から14%)、「その他の上司」(37・7%から38・5%)では増えています。
所属部隊(機関)のセクハラ相談員の氏名は79%の女性が「知っている」としながらも「活用した」は4%で、男女とも六割が「部内の相談員だから」をあげて「相談しにくい」としています。防止策については男女とも半数近くが「職場の人間関係の改善」「セクハラ行為事例集の配布」「懲戒処分を重くする」などをあげています。