2008年4月22日(火)「しんぶん赤旗」
ぜんそく起こす微小粒子状物質
環境基準設定 直ちに
公害被害者ら環境省前宣伝
全国公害患者の会連合会と大気汚染公害裁判原告団・弁護団全国連絡会議は二十一日、ぜんそくなどを引き起こす微小粒子状物質(PM2・5)の環境基準の設定を求め、東京都千代田区の環境省前で宣伝し、同省の担当者と交渉しました。
宣伝行動と交渉には、川崎、東京、尼崎などの大気汚染公害訴訟の原告や弁護士ら約三十人が参加。東京公害患者と家族の会の秋元正雄副会長は「慢性気管支炎で苦しんできた。これ以上空気を汚さないよう、国は一日も早くPM2・5の環境基準をつくり、公害患者の医療助成制度をつくってほしい」と訴えました。
同連合会の大場泉太郎幹事は「一九八八年に財界と政府は『公害は終わった』と全国四十一の公害指定地域を解除し、新しい患者救済の道を断ち切った。その後も大気汚染でぜんそく患者は増え、公害患者の命がけの運動で、ぜんそく患者の医療費助成制度が川崎市で昨年一月から、東京都もことし八月から国に先駆けて導入された。環境省はただちにPM2・5の環境基準を設定し、公害指定地域や医療費助成制度をおこなうべきだ」と求めました。
東京大気汚染裁判弁護団の西村隆雄副団長は「PM2・5の環境基準を作らないのは昨年八月の東京大気汚染公害裁判の和解条項に反する。公害患者の悲願に背をむける環境基準設定の引き延ばしは許されない」と訴えました。
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