2008年4月19日(土)「しんぶん赤旗」

狛江(東京)市長選6月15日告示

4選へ矢野市長決意

暮らし守る市政の継続・発展へ全力


 十八日の記者会見で、東京都狛江市長選(六月十五日告示・二十二日投票)の四期目出馬について、矢野ゆたか市長がのべた決意表明(大要)は次の通りです。


写真

(写真)立候補表明する矢野ゆたか市長=18日、東京・狛江市役所

12年振返る

 私が一九九六年狛江市長に就任して以来、三期十二年がたちました。

 当時の市政の状況は、前市長がバカラ賭博(とばく)に狂い、市政を投げ出し失そうし、その後贈収賄で禁固二年の実刑に科せられる、そういう時期での就任であり、市政の大掃除が必要になったなかで、私が市長に就任しました。

 一期目は旧与党の「打倒」攻撃をはねのけ、前市政のようなことを絶対に起こさない仕組みをつくっていくために市民参加、情報公開に力を入れ、遅れていた福祉の向上を中心に市政の根本的な転換を図ってきました。

 二期目は政策実現の時期で、多摩地域でも遅れていた福祉や教育、健康施策の水準を引き上げ、事業によっては多摩各市をリードする役割を果たすことができました。

 三期目は、当選の直後に、国の「三位一体改革」によって狛江では八億数千万円のすでに組んであった予算を削られました。そのなかで「行財政基盤確立のための緊急行動計画」に全庁あげて取り組んできました。ことし三月で計画の区切りを迎えましたが、その目標はおおむね達成の見込みとなり、当面の財政危機は打開できるところまできました。今後、財政規律を守りながら、新たな政策の展開が可能になりました。

 私にとっては激動の十二年間でしたが、市民のみなさんのご理解とご支援によって、三つの転換(1)市民不在の市政から市民が主人公の市政へ(2)予算の使い方を土木優先から市民生活優先へ切り替え(3)財政基盤の確立へ、市民利益を守りながら市政運営をすすめることができたことに、市民のみなさまへ深く感謝しています。

4つの理由

 四選へ決意した理由を申し上げます。

 第一はいまの社会状況です。格差社会が進行するなかで、新しい貧困というものが生まれています。後期高齢者医療制度の実施、消えた年金の問題、青年層を中心とした不安定で使い捨てともいわれるような雇用形態の広がり、人間が人間らしく尊厳を持って生きていくことが脅かされる時代になっています。こうした実態に怒りを持ち、国にも発言をし、高齢者、障害者、青年、まじめに働いている人たちの目線にたって、その人たちと生活実感を共有しながら、最善の努力をしていく市政を継続し、強めていかなければならないと思ったからです。

 二番目に、今年度からの二年間はこれから十年、二十年先の狛江を描いていくための重要な時期になっていきます。重要な基本構想、基本計画、第四次の行財政改革大綱、公共施設の再編方針などをまとめていく時期です。これらの重要な構想や計画を情報公開、市民の参加と協働をすすめる中で策定していく、内容も市民本位にしていくためにも、こうした方向を追求してきた私が市長でいることが必要だと考えました。

 三つ目に、現在取り組んでいる「音楽の街―狛江」づくり、「絵手紙発祥の地、狛江」、撮影支援体制整備など、市民文化の振興を通した魅力ある狛江づくりが緒に就いたところで、提言者としてそれらを形にしていきたいと考えました。

 そして四つ目に、現在出馬を表明している方々の陣営の中心には、いずれも前市政を支えてきた人たちがいます。バカラ賭博に狂った当時の市長をいさめるどころか、いっしょに参加したような方でさえ、候補者の擁立に加わっています。狛江市民をはずかしめ、市政を大混乱させてきたことに、これらの方々は、この十二年間一度も市民に公式な謝罪と反省をしていないことは厳然たる事実です。こうした人びとに市政を任せたら、狛江市政はいつ昔の古い体質に戻ってしまうかわかりません。清潔・公正、開かれた狛江市政を守るためには、私が頑張る以外ないという考えにいたりました。

 「市民のための」「市民とともに歩む」狛江市政を継続・発展させるためにこの四年間、働いていきたい。そのために全力でがんばっていきたいと考えています。


 矢野ゆたか市長の略歴 1946年生まれ。61歳。早稲田大学法学部卒。75年から狛江市議6期21年。96年狛江市長初当選。現在、東京都市長会政策調査特別部会長、全国市長会評議員


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