2008年4月19日(土)「しんぶん赤旗」

介護現場

労働者・家族にしわ寄せ

衆院委で高橋議員 配置基準見直し要求


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(写真)質問する高橋千鶴子議員=18日、衆院厚生労働委

 日本共産党の高橋千鶴子議員は十八日の衆院厚生労働委員会で、国の介護政策が現場の労働者や家族に重い負担を強いていることを具体例で示し、見直しを求めました。

 高橋氏は、患者三人に職員一人という国の人員配置基準では足りないため、赤字覚悟で職員を手当てしている仙台市内の老健施設を紹介。基準上は七人でも、休みや交代で実際は十一人を配置せざるを得ず、毎年八百万円の赤字になっている実態も示して配置基準見直しを求めました。

 舛添要一厚生労働相は、「三対一は最低基準。改善する事業所は激励する形で促進していきたい」と述べました。

 高橋氏は、特養ホームの介護報酬も、二〇〇〇年の制度開始から一貫して低下しているグラフを示して追及。厚労省の阿曽沼慎司老健局長は、「事業所の実態調査をしたうえで、適切な介護報酬の設定に努めていく」と答弁しました。

 国は、介護の受け皿となる事業所に厳しい経営を迫る一方、病院の療養病床を削減するなど、介護の病院から在宅への転換を進めています。

 高橋氏は、「改定介護保険制度調査委員会」の調査では、在宅介護の家族介護者の就業状況が55%にすぎず、25%もの人が介護を理由に職場をやめていると指摘。同居家族がいるからと訪問介護サービスを断られた事例が相次いでいるとして、「仕事をしている同居家族は、やむを得ない事情と認めるべきだ」と迫りました。

 舛添厚労相は、「さっそく、個々の家庭の事情に応じて対応しろと指導する」と述べました。



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