2008年4月19日(土)「しんぶん赤旗」
中教審
初の教育振興計画を答申
学テ継続、道徳重視
中央教育審議会(文部科学相の諮問機関、山崎正和会長)は十八日の総会で、二〇〇八年度からの五年間に取り組むべき教育施策や教育投資の方向などを示した教育振興基本計画案をまとめ、渡海紀三朗文科相に答申しました。
答申のタイトルは「『教育立国』の実現に向けて」。今後十年間を見通しつつ、五年間に「特に重点的に取り組むべき事項」として、▽全国一斉学力テストの継続実施▽道徳教材への国庫補助制度の創設▽認定こども園の二千以上への増加―などを位置付けました。
教育振興基本計画は今後、閣議決定されます。教育内容や方法などへの国の統制が強まることが懸念されます。
中教審では教育振興基本計画について、昨年二月以来、特別部会で審議を行ってきました。その過程では「高等教育への公財政支出をできるだけ速やかに五兆円以上に」(安西祐一郎慶応義塾長ほか)といった意見も出ていました。
しかし、財務省と文科省との折衝が難航。結局、教育予算増など条件整備についての数値目標は盛り込めませんでした。総会に出席した委員からは、「『教育立国』をいうなら教育投資の充実は必要最低限のことだ。予算確保に尽力を」(安西氏)などの意見が相次ぎました。
教育振興基本計画 改悪教育基本法(2006年12月成立)の第17条で政府が定めることが新たに義務付けられました。今回が初めての策定。答申をもとに閣議決定されたのち、国会に報告されます。計画期間は5年間。
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