2008年4月17日(木)「しんぶん赤旗」

世界一の高学費 軽減を

日本共産党が政策発表

学業断念の若者なくす

石井・小池氏が会見


 日本共産党は十六日、「『世界一高い学費』を軽減し、経済的理由で学業をあきらめる若者をなくすために」と題する政策を発表しました。(全文


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(写真)記者会見する石井郁子副委員長(左)、小池晃政策委員長=16日、文部科学省

 石井郁子副委員長・衆院議員、小池晃政策委員長・参院議員が文部科学省記者クラブで会見しました。

 石井氏は、政策を発表した理由として、「貧困と格差」の拡大の中で、憲法と法律が禁じている「経済的地位による教育上の差別」が目の前で起きていると指摘。千葉県の公立高校で期日までに入学金が未納だからという理由で生徒が入学式から排除されたり、私立大学では毎年一万人の学生が経済的理由で退学するなどの事態をあげました。

 石井氏は、こうした事態を招いた自民党政府の極度に貧困な教育政策を批判しつつ、それと対照的に無償化をすすめる欧米諸国の事例を紹介。その根底にある「教育を受けることは基本的人権であるとともに、社会の発展にも不可欠だ」との精神を強調しました。

 小池氏は、政策の特徴について、経済的理由で学業を断念する若者をこれ以上ださないためという考え方で、緊急に必要なことを押し出したと強調。高校、大学の授業料減免の拡大などの日本共産党の四つの提言をくわしく説明しました。提言を実現するための経費は、年間約千九百億円であり、政府がやる気になれば、ただちに実行可能だとのべました。

 記者からの質問にも答えて「たとえば、米軍への思いやり予算を廃止すれば生みだせる」と答えました。

 石井、小池両氏は、「学費値下げの機運が起こっており、多くの団体、個人によびかけて運動を広げていきたい」とのべました。

表

政策の骨子

一、公立高校の授業料の減免対象枠を年収五百万円まで広げる。私立高校の場合は年収五百万円以下の世帯を授業料全額免除に年収八百万円以下の世帯は一部減額する直接助成制度をつくる。

二、国立大学・高専の授業料の減免枠を引き上げ、世帯年収四百万円以下は全員授業料免除に。私立大学は年収四百万円以下の世帯を減額とする授業料直接助成の制度をつくる。

三、国の奨学金をすべて無利子に戻す。年収三百万円に達するまでは返済猶予に。経済的困難を抱える若者への給付制奨学金制度をつくる。

四、高校と大学の段階的無償化を定めた国際人権規約を批准する。



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