2008年4月16日(水)「しんぶん赤旗」
微小粒子状物質PM2.5
環境基準設定を迫る
公害患者ら “和解条項守れ”
環境省前宣伝
ぜんそくなどを引き起こす大気汚染物質「微小粒子状物質(PM2・5)」の環境基準の設定を求めて、東京都内のぜんそく患者ら約三十人が十五日、東京都千代田区の環境省前で宣伝をしました。
宣伝は、環境省の検討会が「PM2・5が健康に影響を与えている」という報告を今月三日にまとめたことをうけ、東京大気汚染公害裁判原告団、東京公害患者と家族の会などが「昨年八月の東京大気汚染公害裁判の和解条項の環境基準設定の約束を守れ」と計画したものです。
同裁判原告団の今井重利さん(69)=東京都足立区=は「東京都はぜんそくの子どもが毎年増え、全国平均の二倍になっている。その原因はPM2・5で汚れた空気だ。環境省は環境基準設定のぜんそく患者の願いを聞いてほしい」と苦しい息をこらえて訴えました。ぜんそくで妻を亡くした原告団団長代行の繁野義雄さん(60)も「環境基準を一刻も早くつくり、私の妻のように死んでいく公害被害者をつくらないようにしてほしい」とのべました。
西村隆雄弁護団副団長は「政府は大気汚染が改善したというが、新しいぜんそく患者が発生し、被害者は増えているのが現実だ。これ以上の引き延ばしは許されない。一刻も早くPM2・5の環境基準を中央環境審議会に諮問すべきだ」と訴えました。
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